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勉強と部活の両立は可能?

8月22日
読了時間: 5分

塾講師をしていると、保護者の方からこんなご相談をいただくことがあります。


「部活が忙しいのですが、英語も伸ばしてあげたいです。宿題をたくさんやるのは難しいと思うので、まずは英語への苦手意識を減らして、学校の勉強についていけるところから見てほしいです。もし余裕が出てきたら英検にも挑戦できれば……」


こういうご相談は、こちらとしても非常に指導方針を立てやすいです。部活に使う時間、本人の現在の英語力、家庭学習に使える時間などを踏まえたうえで、現実的な目標を設定できるからです。


まずは学校の授業についていけるようにする。余裕が出てきたら定期テストの点数を伸ばす。さらに余力があれば英検にも挑戦する。


このように優先順位を決めれば、部活を頑張りながらでも英語力を伸ばしていくことは十分可能です。


難しいのは「全部」を求められるケース


一方で、指導が非常に難しくなるケースもあります。


「英語が苦手で困っています。でも、何が何でも○月までに英検○級に合格してもらわないと困ります」


明確な期限と目標があること自体は、もちろん悪いことではありません。こちらも、その期限から逆算して必要な学習量を考えます。


「この時期までに単語をここまで覚える」

「この時期までに文法を終わらせる」

「その後は過去問演習に入る」


というように学習計画を立て、それに必要な宿題も出します。


ところが、その宿題がほとんどできない。


本人に理由を聞いてみると、かなり忙しい部活に入っていて、そもそも家庭学習の時間をほとんど確保できない。保護者の方にその状況をお伝えすると、


「部活も忙しいみたいなので……」

「学校行事で疲れているみたいで……」

「テスト直前は欠席させてください」

「通塾は週1回だけで。でも宿題の管理は徹底してください」


と言われることがあります。


部活を頑張ることは、一向にかまいません。むしろ、中高生の時期に何かに打ち込むことは、とても貴重な経験だと思います。学校行事も大切でしょう。


ただ、


「忙しい部活は続けたい」

「家庭学習の時間は増やせない」

「通塾回数も増やせない」

「でも英語は短期間で大きく伸ばしたい」

「そして○月までに英検にも必ず合格したい」


これらをすべて同時に実現することは、本人の現在の英語力や状況によっては不可能です。


塾に通っても、使える時間そのものは増えない


塾に通えば、勉強を効率化することはできます。分からないところを教える。必要な教材を選ぶ。弱点を見つける。目標から逆算して学習計画を立てる。限られた時間の中で、できるだけ効率よく学習できるようにすることは塾の仕事です。


しかし、塾にもできないことがあります。


本人が使える時間そのものを増やすことです。


英単語を覚えるには、実際に単語に触れる時間が必要です。英文法を定着させるには、説明を聞くだけではなく、自分で問題を解く必要があります。リスニングを伸ばすにも、継続して英語を聞く時間が必要です。


授業を受けるだけですべてが身につくわけではありません。ましてや、短期間で大きな目標を達成したいのであれば、それに応じた学習量が必要になります。


「両立できる」と「全部できる」は違う


私は、勉強と部活の両立は十分可能だと思っています。実際に、忙しい部活を続けながら英語を伸ばしている生徒もいます。


ただし、「両立できる」ということと、「何でも同時に達成できる」ということは別です。


本人の現在の学力、目標までの期間、部活動の忙しさ、学校の課題や行事、家庭学習に使える時間、そして本人の能力や学習ペース。それらをすべて考えたうえで、妥当な目標を設定する必要があります。


もし「○月までに英検○級に合格する」「学校の成績を○○にまであげる」という目標達成がどうしても必要なのであれば、その目標の優先順位を上げなければなりません。


部活のない日に学習時間を増やす。あるいは最初から忙しくない部活を選ぶ。他の予定を少し減らす。できる時は通塾を増やして英検学習を優先する。


何かを本気で成し遂げようとすれば、限られた時間の中で、何かの優先順位を下げなければならないこともあります。


大切なのは目標設定と優先順位


以前勤めていた塾も含めて、残念ながらこうしたケースは何度も見てきました。


高い目標と期限を設定する。こちらはそこから逆算して必要な課題を出す。しかし、忙しくて課題には取り組めない。それでも目標や期限は変えられない。そして結果が出なければ、最終的には退塾していく。


もちろん、結果が出なかったときには、こちらも指導方法や学習計画に改善できるところがなかったかを振り返ります。塾として、できる限りの工夫をするのは当然です。


しかし、こちらにすべてを丸投げされても、無理なものは無理です。本人が勉強する時間を、塾がゼロから生み出すことはできません。


だからこそ、最初の目標設定がとても大切だと思っています。


部活を頑張りたいのであれば、それを前提に現実的な学習目標を立てる。どうしても達成しなければならない学習目標があるのであれば、そのための時間を確保する。どちらが正しいという話ではありません。


大切なのは、本人の能力や現在の状況、使える時間を踏まえて優先順位を決めることです。


勉強と部活は両立できます。でも、時間は有限です。


「あれもやりたい。これもやりたい。でも勉強する時間は増やせない。それでも結果は出してほしい」


というのは、やはり難しい。


だからこそ、「今、何を一番大切にするのか」を本人・保護者・塾で共有し、現実的な目標を設定することが、結果的には一番の近道だと思います。

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